それは数日前のこと。
膝の半月板損傷以来、好きなゴルフを我慢していた夫。
約3ヶ月ぶりに打ちっ放し練習に行くと言って、朝食後いそいそと準備をしていた。
ところが、けっこうな時間が経っているのにまだ出かける気配がない。
家事の合間に夫の部屋を覗くと、何やらバッグの中身を出したり入れたり。
穿いていくパンツ(下着じゃない方ね^^)を迷っているのか、あれこれ手に取っている。
(は、はーーん、これは何かが見当たらなくて探してるな( ̄ー ̄))と瞬時に察知。
しかし、あえて声をかけずに様子を見ることに。
そこからまたしばらく時が経過。
家事が済み、お茶でも飲もうとしていた時、夫、現る。
「あれ~~、どこいったんだろう」と誰に言うともなく(の素振りで)呟く。
そしてリビングのパソコン周りやテーブルの上をゴソゴソ。
(来た来た)と思いながら「なに?何が無いの?」と尋ねる私の言葉に、待ってましたとばかりに
「車の鍵が見つからないんだよね(;´Д`)」
そもそも、紛失騒動をよく引き起こす夫である。
車や家の鍵などの鍵類。保険証、印鑑登録証、クレジットカードなどのカード類。ボイスレコーダーやイヤフォンなど小さな機器類。
一応自分で探そうと頑張ってみるものの、見つけ出せず私に助けを求めるのがいつものことなのだ。
そんな時私は夫に言う。「徹底的に探した?」
「探したつもりだけど…」と自信なさげに言う夫に、「どれ」と言いながらやおら捜索を始める。
探偵として依頼者に事情聴取しながらテキパキと動き怪しい場所を探る私。
依頼者である夫は素直に聴取に答え、探偵である私の後ろで頼り切っている。
大体、パターンは決まっているのだ。
探したと言うが、私に言わせれば徹底的に探していない。これに尽きる。
置いたつもり、入れたつもりなのに探しても無いと言う時、大抵夫の探し方は甘い。
「ここにあるはず」との思い込みから離れられず、見えるところ、いつもの場所をゴソゴソと探っている。
例えば、バッグは中身をひっくり返す勢いで底から調べ上げるのが私の流儀。
ポケットが複数ある場合は「いつもここに入れている」に囚われず、すべてのポケットを調べる。
たったこれだけで紛失物が見つかったことが何度あったことだろう。
「あれ~?そこ、探したんだけどなぁ」と毎回夫は言うが、否、それは探したとは言えないのよと私は(内心鼻高々の)笑顔で諭すのだ。
次にバッグの中に無い、或いはいつもの置き場所に無いとなればどうするか。
行動を振り返るのである。
確かにあった、使ったというその時まで遡り、何処をどう歩いて、まず何をしたか?その後はどうしたか?
すると意外な場所で発見されたりする。
洗面所の歯ブラシ立ての横で。
帰宅後、着替えて洗濯かごに投げ入れたパンツ(下着じゃない方ね)のポケットの中で。
何故かタンスの引き出しの衣類の上にちょこんとのっていたり。
そんな中、
夫のクレジットカードが見つからなくて、何処かに忘れたのか?落としたのか?と夫婦で大慌てしたことがあった。
夫は財布と別にカードケースを持ち、そこにクレジットカードを収納している。
現金とクレジットカードを同じ財布に入れるのは不安なのだそうだ。
「だから財布には入れないと思うし、あるとすればカードケースなんだけど無いんだよね…」と夫。
行動を振り返り、財布やカードケースはもちろんすべてのバッグの中を底から調べる。
床に落ちていないか、引き出しに入っていないか、よもやゴミ箱に捨てていないか…。
かなりの時間探し回り、それでも見つからなくて、9割がた諦めモードでもう一度カードケースの中を見た。
すると、先ほどは気づかなかったが、妙に厚みを感じるポケットがある。
よくよく見ると2枚のカードがきっちり重なって収納されている。
もしや⁉と、後ろに隠れているカードを引き出すと、探し求めていたそのカードだった。
「あったどーーー!(≧∇≦)ノ」
誰かさんのパクリではないが、高々とカードを掲げ、得意満面で雄叫びを上げた。
けれど、
夫に「さすが!おかあさん‼」と持ち上げられつつも、実は忸怩(じくじ)たる思いもあり。
何のことは無い。探し求めたクレジットカードはいつものカードケースにきちんとあったのだ。
なのにそれを見つけられなかった私…。
一番最初にカードケースは見た。しかし、見えるようにしか見なかった。
ポケットから一枚一枚出してみるという作業を怠らなければ、その時点で既に見つけられたのだ。
「徹底的に探さなければダメ!」と、日頃エラそうに語っていたのに恥ずかしい。
そんな妻の心境を知ってか知らずか、「ありがとう!さすがあ!」と喜ぶ夫の顔を見ながら、自分の驕りを反省した。(って、そこまで大げさに言うこともないか(^▽^;))
それで数日前、夫が車の鍵を紛失した話。
今回は手こずった。と言うか、私は見つけられなかった。
スペアキーはあると言うので、とりあえず車は動かせるし、新しく鍵を購入すればいいと思った。
が、夫は諦めず、打ちっ放しも取り止めて探し続けた。
2時間ほど経った頃、「あったーーー!」と喜びに弾む夫の声が聴こえた。
飛んで駆けつけ「良かったねー!頑張ったねー!偉かったねー!」と大拍手。
壁とベッドの隙間に落ちて、ベッドの下に転がったらしい。
壁とベッドの隙間は私も夫も探した。その時、鍵は見えなかった。
ベッドの下も覗いてみた。その時も鍵は無かった。
ただ、ベッドの下には夫の荷物が少し置かれていて、結果、その荷物の陰に隠れて見えなかったのだ。
「徹底的に探す」という私の言葉を思い浮かべ、夫はベッドを動かしてみたそうだ。
そして見つけた。
ついでに、ずーっと所在不明だったボイスレコーダーまで見つかったらしい。
ところで、「何故、車の鍵が壁とベッドの隙間に落ちたか」の話になった。
帰宅してすぐポケットの中の鍵をいつもの場所に置けば良かったのだが、それをせず穿いていたパンツをベッドの上に脱ぎ捨てた。
その際、ポケットから鍵がするりと出て、そのまま壁とベッドの隙間に滑り落ちたと思われる。
「帰って来たら、まず鍵をいつもの場所に置くようにしなきゃね(* ̄3 ̄)╭」
あんなに頑張ったのに、結局、最後にはお説教まがいのことを言われる羽目になった夫である(笑)。
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