すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

義母と「紙パンツ」のこと

 

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、介護施設に入所している義母に直接面会出来なくなって1年以上が経過しています。

その間、リモートや施設の玄関ドア越しの、いわば間接で面会をしてきました。

ですが、そもそも愛想のない義母のボソボソと小さな声は聴きとりにくく、また、義母は義母で耳が聞こえにくくなっている。

というわけで、意思の疎通がスムーズとは言えず、もどかしいばかりの面会に夫などはついイラつくようです(苦笑)

 

そんな中、義母にとっても家族、主に息子である夫の面会が制限されていることが何かしらの不安となっているのでしょうか。

施設のスタッフの方々にそれまでは口にしなかった我儘や不満を言うらしく、話を聞いてちょっと驚きました。

スタッフの方々にはよくして頂いていると思いますし、義母も自分なりのペースや生活スタイルを維持出来ていると思っていましたから。

それでも、考えたらそりゃそうなんでしょうね。

身内でもない大勢の年老いた人(もちろん義母のその一人)たちの中で、ある意味ただ一人で暮らしているイメージでもあるのでしょうから。

寂しさや虚しさで呼び起こされる不平不満なのかもしれません。時には我儘だって言いたくなる。

月に数度面会出来ていた時は、家族に言うことで不満を晴らしていたでしょうし、或いは説得されたり励まされることで前向きに考えることも出来ていたでしょう。

今はそういったやり取りができにくく、話を聞いてあげられないことが義母を頑なにしているようにも思えます。

あとは、やはり少し老化が進んでいるのかな、とも。

 

 

在宅介護をしている頃から、義母は下着を少し汚してしまうことがありました。

木綿の下着に尿漏れパッドをあてがっていたのですが、それでも少し。

ただ、年齢を考えれば許容範囲でしたし、その都度手洗いして、義母にはことさら言うことはしませんでした。

やがて頻繁に汚すようになり、尿だけにとどまらず、その範囲も大きくなって。

ある時、夫がそのことを口にしたら「そんなはずはない」とキッパリ否定した義母でした。

施設に入所してからも木綿の下着と尿漏れパッドのスタイルは崩さず。

けれど、あまりにも汚すので洗濯が大変だと、紙パンツを使用するように施設から勧められたのですが、断固拒否。

義母のプライドだったと思います。

自分はオムツを当てられるほど老いぼれていない。あくまでも下着をきちんとつける、という。

「オムツじゃないよ。パンツだよ。みんな普通に穿いてるよ。」

私の両親が既に穿いていることも伝えました。「尿漏れを気にしないでいいから安心だって」「もし失敗して汚しても洗わなくていいから楽だって」

トイレが近いのが心配な夫などは飛行機に乗る時やコンサートなどに行く時はこっそり穿いているそうですが、いよいよそのこともカミングアウト。「俺だってたまに穿いてるよ」

そうして義母を説得しようとしましたが、頑なに拒否でした。

 

 

ずっと面会できなくて、義母の衣類を確認できないのが気になっていたところ、スタッフの方が補充してほしい物をリストアップ。

ポロシャツやズボンや靴下。肌着やズボン下…。「あれ?パンツは?」

夫に尋ねると「紙パンツ、使ってるんだって」

 

ああ…そうなんだ。おばあちゃん、折れてくれたんだね。

 

ちっとも話を聞いてあげられないうちに義母自身で踏ん切りをつけたんだなぁと思うと、なんだか可哀想で胸が痛くなりました。

でも、ありがとうとも思ったし、立派だなとも思ったのでした。

 

 

ところで、「紙パンツ」

今、いろいろな人がコマーシャルで穿いてみせてくれていますよね。

最初に印象的だったのはチェリッシュのお二人かな。

それからキャシー中島さんや岸本加世子さん。

菊池桃子ちゃんはまだ自分では使っていないけどお母さんに、という設定。

そして、最近ではあの草彅剛さんも実際に穿いて出演されています。

センセーショナルでありながら、彼のキャラクターが為すところでしょう、温かくて素敵なCMだと思いました。

草彅剛さんのセリフにはご自身の高齢化社会やオムツに対する考えが反映されているとか。

彼を起用した紙おむつの「アテント」は、大人用紙おむつを下着の総称であるパンツと呼び、“かくさないパンツ”をキーワードに「おむつを恥ずかしいものとして隠すのではなく、オープンにしてみんなで考えていけるポジティブなものに変えていきたい」と呼びかけているそうです。

 

私たちの世代はもしかしたら「紙パンツ」にそれほどの抵抗感を持たないでいられるのかな。

(って、私だけ?(^▽^;))

いわゆる昔ながらの「オムツ」という用途以外にも、普通に下着代わりに使えそうだし。

災害時の洗濯できない時など、役立つ場面がありそう。

自分にもいずれ紙パンツが必要な日が来るでしょうが、そうなる前に経験してみようかな。

それで便利だったこととか良かったこととかを周囲に伝えたりして、紙パンツがもっと普通のことになるといいなと(´▽`*)

 

 

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へ

よろしければポチ頂けると嬉しいです(^^)/

PVアクセスランキング にほんブログ村