すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

焼きもち焼きの男「ジェラス・ガイ」

 

先日のNHK『The Covers』斉藤和義ナイト!洋楽ヒット曲の日本語カバー」

その中で、斉藤和義さん自ら手掛けた日本語詞でカバーしたジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」が良かった。

 

「ジェラス・ガイ」(Jealous Guy)

実は、初めて聴きました。

1971年リリースされたソロ・アルバム『イマジン』に収録されています。

ビートルズ時代の1968年、「チャイルド・オブ・ネイチャー」というタイトルで作られた曲を、1970年ビートルズ解散後、ジョンが歌詞を妻のヨーコに自身の嫉妬深い性格を詫びる内容に改め、タイトルも「ジェラス・ガイ」に変更したのだとか。

 

弾き語りの和義さんのハスキーな歌声はいつものように素敵だった。

セツナサや色っぽさが絶妙。

ジョン・レノンのメロディは言うまでもなく。

 

和義さんの日本語詞。

曲から受けたイメージで自分なりに意訳したのだそう。

確かにジョンの詩とは少し違うのかも。

 

焼きもち焼きの男がいるよ
あなたの前の僕のことだよ

あなたが他の男と話をするだけで
胸が痛むのさ
笑ってくれよ

焼きもち焼きの男は嫌いかい?
あなたに惚れたこの男だよ
あなたが昔の恋を笑って話す それだけで
胸が苦しいんだ
小っちゃな奴さ

あなたにメールしても返信がない それだけで
世界は真っ暗だ
小っちゃな奴さ

焼きもち焼きの男がいるよ
あなたの前の僕のことだよ

あなたがこの僕の目を見つめる それだけで
月まで飛べるんだ
笑ってくれよ
笑っておくれよ
もう泣かないで

 

 

焼きもち焼きの男がいるよ

あなたの前の僕のことだよ

 

歌い出し、和義さんのあの声でこんなこと言われてドキンとした。

 

歌が終わった後、アシスタントの女性も「スゴイ……」と心から魅了されたよう。

和義さんの歌は本当に素敵だった。

それに、彼の歌声でなくても、例えば好きな人にこんなふうに目の前で歌われたら女の人なら嬉しいのかも。

焼きもちを焼くほど自分を好きでいてくれて嬉しいって。強く愛されていると実感するのかな。

 

 

それは理解しながらも、いやいやちょっと待てという思い。

歌い出し、ドキンとしたのは女心がときめいたの半分と、正直言っちゃえば、半分はゾワッとしたのです。ちょっと怖いと言うか…。

いえいえ、和義さんの歌詞にケチをつけるつもりは毛頭無く。

これはこれで良いのです。この歌はこの歌で良いのです。

 

ただ、

ふと現実に思いを飛ばした時、もう若い娘ではない私は焼きもち焼きの厄介さも見聞きしているから、手放しでそれを愛情と思えない部分も感じてしまった。

歌とは別に、そういうことです。

そもそもは愛情から発生するものなのかもしれないけれど、度を超えたそれは自分勝手な独占欲となり、相手を縛り苦しめる。

この焼きもち焼きの男はこれから何をするんだろう……。そんなことまで想像して。

怖い話になってしまいました。スミマセン(;^ω^)

 

 

私の父は明らかに焼きもち焼きでした。

自分が在宅中、来訪者に母が対応し少し時間がかかっただけでたちまち機嫌が悪くなりました。

来訪者が男性であれば尚更ですが、女性でも。基本、誰でも嫌なのです。

夕食前、お隣さんが回覧板を持って来てくれて、玄関先で少し立ち話をして戻って来た母に「晩メシ前にいつまで喋っとんじゃ!」と怒鳴り、晩酌の日本酒をまき散らしました。

酒は母にも襖にもかかり、襖のシミはいつまでも消えませんでした。

そんなことはちょくちょくあり、母も決して言われっぱなしでなく正論で反論するので大抵大喧嘩に発展。

なので、父が在宅している時に人が訪ねて来て母がいつまでも喋っていると、私の方が緊張して気が気じゃなかったものです。

子ども心に父の度量の狭さが嫌いでした。どう考えても父の言っていることは自分勝手だったし。

同時に、それは父の焼きもちなのかなとも思いました。

父は母を好きなあまり、常に母に自分の方を向いていてもらいたかった。他人と楽しそうに話す母に苛立った。

それほど母が好きなんだと父を肯定する気持ちも少なからずあったかもしれないです。

そう思いたかったのかもしれませんが。

 

まあでも、大人になった今はそんな感情を愛情とは思いません。

自分勝手な思いを押し付けて、思い通りにならないと怒って、自分の為にこうあって欲しいと縛っているに他ならないですから。

好きな人に抱く焼きもちも度を超えると“悪”になる。

天国でのんびりと過ごしているだろう父に辛辣な発言、申し訳ないけど(苦笑)

 

……………

 

友人は恋人時代、いつも彼が車で送り迎えをしてくれていました。

私たちと会う時もいつの間にか彼は車で近くまで来ていて、「あ、また来てる」と窓越しに彼の車を見つけて言うのです。

「えーー、いいねぇ~。愛されてるねぇ」と私たちは羨ましがりました。

「場所を言ってないのにどうしてわかったんだろう?」と友人。

「え?そうなの?」と少し不思議でしたが、「愛しているからわかるんだよ」などと無責任なこと言っていました。

その後二人は結婚。順調に結婚生活を送っていると思っていましたが、数年後に突然の離婚報告。

彼はあんなに友人のことを好きで、友人も彼の愛情を信じ幸せそうだったのにと驚きましたが、結局のところ、友人は彼の「愛情」に苦しめられていたのでした。

「愛情」と称されるところの激しい焼きもちや独占欲に縛られ、自由を奪われていった友人。

逐一行動を把握され時にはつきまとわれ。いつしか暴力を受けるようになり、逃げるようにして離婚。

友人の身の上に起こった出来事が、何も知らず呑気に子育てしていた自分にはとても衝撃的でした。

まだ「ストーカー」や「DV」という言葉がそれほど社会に浸透していなかった頃かもしれません。

 

 

男性でも女性でも焼きもち焼きの人はいますが、ほど良い焼き加減がいいですね。

(内容がけっこうハードだったくせに、この終わり方はいったい……………(~_~;))

 

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