すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

強引にヒッチハイクされたこと


昨夜のテレビで。

日本の、とある街角
ヒッチハイクをしようと行き先の書いた紙を道路沿いで掲げる若者
けれど、車はなかなか止まってくれず
ようやく止まってくれたのは日本で暮らす外国人の男性

「どうしたの?」と片言で尋ねる彼の優しさに救われ
若者はホッとした顔で車に乗り込み目的地へと向かう

というような場面がありました。(ドラマではなく)


それを観ながら夫に

ヒッチハイクの文化って、まだ日本には根付いてないんだろうね。外国映画とか観てるとそういうシーンけっこうあるから、外国ではまあまあよくある事なのかな?」

と言うと

「でも、知らない人を乗せるって怖いよな」と夫。

確かにそういう側面もある。


それでふと思い出したのが7、8年前の出来事。


……………

それは夏の日のお昼少し前だったでしょうか。
それほど遠くないスーパーに車で買い物に出かけた際のことです。

たくさんの買い物をして駐車場を出ようとした時
少しばかり遠くの方で私の車に向かって激しく手を振る女性が見えました。

見覚えのない人だったので誰か違う人に手を振っているのだろうとゆっくり通り過ぎようとしたのですが
近づくにつれてその女性の目は間違いなく私を見つめており
何だかお願いされているような
ワタシよ!って訴えられているような
必死な感じだったのです。

あれぇ…誰だっけ?と思いながら女性の傍らに車を止め窓を開けると
彼女はささっと近づいてきて

「バイパス渡って向こう側に行きますか?」と、唐突に仰るではありませんか。

それもまた必死な感じで。

「はい?⊙.☉」

「バイパス渡って向こう側にある○○マンションまで帰りたいんですけど!」

「え?(⊙_⊙)」


あ~~?もしかしてあなたの家まで車で送って欲しいってこと?
と、ようやく少し頭が回ったので

「スミマセン。わたし、反対側に行くんですよ。バイパス渡らないんですけど…(;´Д`)」

申し訳ないけど、やっぱり全然知らない人だったし
そこまでしてあげることはないのかなぁって思ったし。

そもそもそんなアッシー的なことを見ず知らずの他人に頼めることにも驚いた。

まあ、せめて同じ方向であればまだ考える余地はあるけど。

なんてことを頭の中で巡らせながら暗にお断りしたのですが
今度はガッシとドアに手をかけて

「わたし、急に体調が悪くなって家まで歩いて帰る自信がないんです!途中で倒れるかもしれないと思うと不安で……」

「はあ…」

そう言われると何だか体が小刻みに震えているようだし
口もあわあわと少しろれつが回らない気もする。

ダメですか?

私の目を覗き込むようにして言われちゃあ、もはや断れるはずもなく。

「あ、じゃあどうぞどうぞ!(;^ω^)」


道中、しきりに「本当にすみません」と言う女性に
「いえいえ、大丈夫ですよ~」と何でもないことのように応え
彼女の指定するマンションまで送り届けました。

車を降りる際もふらふらとしていたので「お宅までご一緒しましょうか?」と言いましたが
「いえ、大丈夫です」と。

その後、車を少し先まで走らせUターンして戻って来ると
マンションの入口に向かって歩く彼女の後ろ姿が見えました。

先程までのふらふら感は消え
フツーにしっかりとした足取りだったんですよねぇ。

(うーーーん)

「どういうこと?」

思わずひとり呟いていました。


🚗…………

帰宅して末娘にその件を話すと

親切にしたことは良いけどある意味かなり怖いよ
自分なら代わりにタクシー呼んであげるとか、お店の人に託すとかする
それにもしかしたらお母さん騙されたのかもしれないし

と言われました。

まあ確かに。

ただその時、自分は怖いとは思わなかったんですよね。

知らない人の車を半ば強引に止めて、家まで送って欲しいと乗り込むなんて
ちょっと有り得ないような話だけど
それほどその女性は具合が悪く誰かにすがりたいのだろうと思って。



たくさん生きてきて、初めての体験でした。

そんなことあるんだなぁと
今でも可笑しいような
信じられないような思いがあります。

そして、今ごろだけど
娘が言うようにちょっと怖い気もするかな^^;


これもいわばヒッチハイク? かなり強引な(苦笑)


(※過去記事の内容に加筆修正し投稿しました)


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