すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

「夜空ノムコウ」~あのころの未来にぼくらは立っているのかなぁ…


自分にとって“神曲”とも言える歌がいくつかある

夜空ノムコウはその一つ


ご存じ、スーパーアイドルグループだったSMAPの楽曲

作詞:スガシカオ 作曲:川村結花


1998年1月にリリースされ、発売から3週目でミリオンセラーを達成

2002年4月から中学校の音楽の教科書に掲載されている


リアルタイムで聴いていた人はもちろん、そうでない人にも

時を越えて歌われ愛されてきた歌の一つではないだろうか



先日もカラオケで「夜空ノムコウ」を歌いながら

ああ、この歌ホント好きだなぁ…と改めて思った


今まで数え切れないくらい歌って来て、今さらの話なのだけど

毎回沁みる


メロディラインの其処彼処に胸を締め付けられる感を覚えながら

最後、「もう明日が待っている」の

「あす」の「す」と、「まっている」の「い」がクイッと上がる所に

毎回、自分の感情がピークになる


何より、歌詞の世界観がたまらなく好き

あれからぼくたちは何かを信じてこれたかなぁ…


初めて聴いた時、その歌い出しに心を掴まれたものだ

40歳になろうとしている自分の中に不意に冷たい風が吹いたようで

切ないと言うよりは何だか悲しかったのを憶えている


あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ…
夜空のむこうには 明日がもう待っている



誰かの声に気づき ぼくらは身をひそめた
公園のフェンス越しに 夜の風が吹いた


君が何か伝えようと にぎり返したその手は
ぼくの心のやわらかい場所を 今でもしめつける


あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ…
マドをそっと開けてみる 冬の風のにおいがした
悲しみっていつかは 消えてしまうものなのかなぁ…
タメ息は少しだけ 白く残ってすぐ消えた



歩き出すことさえも いちいちためらうくせに
つまらない常識など つぶせると思ってた


君に話した言葉は どれだけ残っているの?
ぼくの心のいちばん奥で から回りしつづける


あのころの未来に ぼくらは立っているのかなぁ…
全てが思うほど うまくはいかないみたいだ
このままどこまでも 日々は続いていくのかなぁ…
雲のない星空が マドのむこうにつづいている


あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ…
夜空のむこうには もう明日が待っている



“ぼく”はきっと、どこにでもいる普通の男の子

“ぼくら”はきっと、どこにでもいる普通のカップ

そんな彼らの他愛ない呟きの裏側には

思春期から青年期にかけての焦燥感や憤り、そして諦めが隠れているのかもしれない


“あのころ”の自分と重なり、いつもちょっと悲しくなるのだ



ちなみに、「夜空ノムコウ」はメロディが先に出来て、後からスガシカオ氏が歌詞をのせたらしい

確かにそうだろうと納得する

メロディラインがそのまま言葉になり紡がれ、そんな言葉たちの感情が素直にこちらに届く


スガ氏が浪人時代に付き合っていた女性と過去や今、未来について語り合ったことが、歌詞のモチーフになっているそうだ


……………


あのころの未来にぼくらは立っているのかなぁ…


“あのころ”の自分は“未来”を描けずにいた

そんな自分でも、今こうしている“未来”は決して悪いものではなかったことが幸せである



それにしても、SMAPが解散した時は寂しかったな…

強固な個性のぶつかり合いが素敵だったから


あんなアイドルグループはもう現れないかもしれない



袂を分かち、それぞれの道を歩むことを選んだ時

一人一人が描いた未来があっただろう

“あのころの未来”に、今、彼らは立っているのかな…


そうだったらいい




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