今夏の長い長い猛暑をようやく抜けた感がある今日この頃。
阪神タイガースが例年になく調子いい。
いや、相当調子イイ。
何ならマジックも点灯している。
このところ、夜、眠りにつく前
布団の中で試合の結果を観るのが習慣となっている。
ネットニュースで結果のみ、こそっと。
例年なら、(チッ)と舌打ちしたり、(ハア~~)とガッカリしたり、言葉も無く閉じたりと、そんな結果が多いのだが
今シーズンは、高い勝率に(そうかそうか)とホクホクした気分を味わっている。
しかし、そんな阪神タイガースの躍進を表立って騒ぎ立て喜ぶことはしない。
あくまでもコソッと、己の心の中で小さくガッツポーズをするのみである。
夫に「今年は阪神、いくんじゃない?」とニヤニヤ顔で言われても
「いやいや、まだわからないから」と静かに応える。
つまり、それもこれも
大っぴらに「ナニ」を口にして、全てがご破算になるのを恐れているからだ。
長年の阪神タイガースファンなら理解して貰えるのでは。
シーズンが始まり華々しい連勝に、今年こそはいくんじゃないかと皆で盛り上がり
ある日突然、いったい何をどうしたのか転がり落ちるように負け続け
気がついたらやっぱり定位置の下位に甘んじている。
そんな結果を幾度も経験してきた。
「ナニ」が現実のものとなりつつある状況で
「ナニ」を口にし盛り上がった途端
「ナニ」が遠ざかる?
とても合理的とは思えないが、そんな恐れを抱えている。
自分などは「ナニ」が決まるゲームの最終回、2アウト2ストライクとなりようやく
(もしかしたら「ナニ」するかも…)と思えるのだから、何とも根が深い。
⚾
こんなことを考えるのは自分だけかと思っていたら
つい先日、あるブログの記事で阪神タイガース岡田彰布監督の『アレ』を知った。
岡田監督もあの二文字は使わず『アレ』と表現しているというのだ。
「なかなか『アレ』にたどり着けない日々を送ってきたわけですが、このユニホームを着た以上は『アレ』に向かってキャンプからスタートしたい」(読売新聞オンラインより)
『アレ』と表現する岡田監督の思いに、全然立場は違うのだけど勝手に共感を覚える。
始まりはオリックス・バファローズ監督時代の2010年だそうで
交流戦で選手が優勝を意識しすぎないよう言い換え、見事に栄冠を手にしたという。
(長年阪神ファンを自認しているが、『アレ』、知らなかった…(ーー;))
最後まであえて言葉を濁し『アレ』と表現することで
選手が優勝を意識し過ぎず、いつも通りのプレーが出来るように。
また、
「優勝間違いなし」とマスコミやファンが浮足立ち大騒ぎになると、何故か大失速。
そんなジンクスを避け、最後まで冷静さを保つ為であるのかもしれない。
若い頃は藤山寛美似の愛嬌あるお顔立ちだったが、今はすっかり渋くていらっしゃる。
そんな岡田監督が口にする『アレ』の言い様が大阪のおっちゃんそのもので楽しい。
ふざけてるのか、いやいやマジメでっせ、なのか。
私もこれから「ナニ」ではなく『アレ』と言おうと思う。
阪神タイガース、いざ、『アレ』を現実に!
阪神タイガースの2023年のチームスローガンは、岡田監督の『アレ』をヒントにした「A.R.E」(Aim!Respect!Empower!)だそうだ。
「個人・チームとして明確な目標(Aim)に向かって、野球というスポーツや諸先輩方に対して敬いの気持ち(Respect)を持って取り組み、個々がさらにパワーアップ(Empower)することで最高の結果を残していく」という意味を込めている。
スローガン決定の過程には岡田監督も加わっており、球団としては『アレ』ではなく「エー アール イー」と呼ぶらしい。
いや、そこはやっぱり「アレ」でいいのではとツッコミたい気分^m^