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『いちご白書』を、もう一度観てみた


NHKBSで『いちご白書』を観ました。

以前もテレビで観て、今回は2度目。

まだ学生だったのかな?何しろずい分前です。

「1960年代後半のアメリカの、とある大学の学生運動を描いた」
というような大雑把な記憶で、細かな内容や描写はほとんど憶えていなくて。

ただ、終盤近く、立て籠もった学生たちが警官や州兵たちによって次々と排除されていく乱暴なシーンと

それに続くエンディングロールに流れた主題歌のサークル・ゲームがあまりにも軽やかで楽し気で

そのギャップが悲しいような虚しいような気分で胸に刺さり、そこは今に至るまで強く印象に残り続けていました。


それで今回、『いちご白書』とはいったいどんな作品だったのかを確かめたくて、もう一度観てみたのです。



1970年公開のアメリカ映画

アメリカの作家、ジェームズ・クネン著のノンフィクションが原作。

著者が19歳の時に書かれ、コロンビア大学での1966年から1968年までの体験、特に1968年の抗議行動(1968 Columbia University protests)および学生抗議者による学部長事務所の占拠についての年代記となっている。(Wikipediaより)


猥雑で混沌。

立て籠もる学生たちのシーンはそんなもので覆われていて
自分には明確な何かが伝わって来ない。

だから残っているものが大雑把にぼんやりとしていたんだな、と思いました。

ただ、やっぱり終盤からラストへ続くシーンは衝撃的で
その後に流れる「サークル・ゲーム」は非常に印象的と言えるでしょう。


日本における学生運動を描いた映像を何度か観たことがあります。

特に、1960年から1970年代の学生運動を描いたものは過激の果てに悲劇的で
最後には何とも言えない虚しさで終わることが多いのですが

結局、『いちご白書』もそうでした。

改めて観てみて、特別に新しい何かを観た気がしない。

ラスト、主人公が警官たちに飛びかかっていくシーンがスローモーションで終わり
ああ、そうだったと思い出しましたが。


……………


大学生の頃、母校の構内で主張を掲げた看板を背に、ヘルメットを被り、ひとりアジる学生がいました。

誰も彼の話を聞いておらず
まるでそれが課せられた修行のようにがなり続ける姿が何だか痛々しく
彼はいったい何を得られるのかと考えると虚しくもあり
目を伏せて通り過ぎたのでした。

40年以上前の話。


今でも学生運動は存在するのでしょうか。


小学生の頃に70年安保闘争をテレビなどで見聞きしました。

東大安田講堂占拠事件や浅間山荘事件は長時間中継され、釘付けで見入ったものです。



学生運動」について、自分の思いを表そうとしてみましたが
とても困難で諦めました。


ただ、淡々と事実と記憶を並べるのみです。


……………


「いちご白書をもう一度」は、ユーミン作詞作曲でバンバンが歌った曲です。

1975年リリース。

彼女とロードショーで観た『いちご白書』
数年が経ち、街角のポスターにそれを見つけ、過ぎ去った昔を思い出す僕


僕は無精ヒゲと 髪をのばして
学生集会へも 時々出かけた

就職が決まって 髪を切ってきた時
もう若くないさと 君にいいわけしたね


バンバンのばんばひろふみさんはこの歌について

「社会を変えるつもりで闘争に加わった学生達は、生活のために会社の歯車となり、彼らは皆何らかの敗北感を持っていた。この歌は挫折感を抱えた同世代への鎮魂歌なんです」

と語っているそうです。



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