すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

『かもめ食堂』をようやく観ました

 

先日、NHKBSで放送されたかもめ食堂

 

以前から気になっていたのですが、まだ観たことはありませんでした。

小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさんが共演だなんて、自分には絶体ツボだろうし、きっと好きなはず。

ちらほら聴こえてくる評判もそんな予想を確信にしてくれていたけど、実現させることはなくて。

2006年公開というから、17年間ずっと観たいという思いを寝かしていたことになります。

おかしなことを言うようですが、いつの日か観る楽しみをずっと大切にしていた感じ?

 

それで、満を持してようやく観たということ。

(どうでもいいことをくどくどと書いてしまいました(ーー;)つまりそれぐらい期待大だったわけです)

 

 

監督・脚本 荻上直子さん

原作 群ようこさんかもめ食堂

 

ぷっくり太ったカモメたちがユルリと青空を飛ぶ、北欧の港町ヘルシンキ。その町の片隅に小さな食堂がひっそりとたたずんでいる。日本人女性サチエが店主をつとめる『かもめ食堂』の看板メニューは、おにぎり。客といえば日本おたくのフィンランド人青年トンミくらいなもの。それでもめげないサチエのかもめ食堂に、訳ありげ気な女二人がやってきた。群ようこの原作に3人の実力派女優が共演し、観る者に元気を与えてくれる、新しい物語を生み出しました。(「シネスイッチ銀座」公式サイトより)

 

予想はしていたものの、始まった瞬間から物語に漂う空気感に引き込まれました。

小林聡美さん(サチエ)の、いかにも彼女らしい佇まいの導入部に早くも癒される。

片桐はいりさん(ミドリ)との出会いも、この二人ならのお決まりのようだけど、可笑しみがたまらない。

もたいまさこさん(マサコ)も、もはや改めて言うこともなく、あくまでも淡々とした彼女の表情や仕草がしみじみと心地良い。

ああ、好きだわ~( *´艸`)

 

建物、家具、調理器具、食器、衣服。

映像のあらゆる所にセンス良く在る北欧のデザインと色彩。

かもめ食堂」の椅子&テーブルの、すっきりと洗練された美しさ。

壁の北欧ブルーやサチエさんのブラウスやエプロンもすごく素敵だったな。(ブラウスが北欧の物だったかは不明ですが^^;)

 

三人の出会いはちょっと変わっていたものの、その後の物語は穏やかな日常を追っています。

BGMの無い静けさの中、「かもめ食堂」での人と人の触れ合いや会話が心に響く。

 

かと思うと、

サチエさんがプールで泳ぐシーンで、不意に流れた井上陽水氏の「白いカーネーション

え?⊙.☉と一瞬驚いた後、胸が熱くなった。

1972年にリリースされたアルバム「陽水Ⅱセンチメンタル」に収録されている曲で

このアルバムは遠い昔にどれだけ聴いたことか。

 

カーネーション お花の中では

カーネーション 一番好きな花

 

ちなみに、主題歌は同じく陽水氏の「クレイジーラブ」

 

 

かもめ食堂』にはやはり自分の好きなモノがたくさん詰まっていました。

何か大きな出来事が起こり、そこから何かを伝えようとするお話ではない(のかもしれない)ですが

彼女たちの発する言葉や行動が気づきや勇気を与えてくれます。

取り立てて雄弁というわけではなく、けれど誠実に心を込めた言葉たち。

一歩踏み出そうとして、結果調子っぱずれになってしまう行動ですら、こちらの背中を優しく押してくれる気がします。

 

その日が良くても悪くても、「かもめ食堂」での営みを丁寧に積み重ねるサチエさんの

さっぱりと朗らかに言い切る信念が清々しかったです。

 

 

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