すっとんきょうでゴメンナサイ

風の吹くまま気の向くまま

甘いものは「甘やかす」というかたちで温かく見守ってくれる偉大な存在


以前、著書やツイートを紹介させて頂いた野田敦子さん。


komakusa22.hatenablog.com

komakusa22.hatenablog.com


今も野田さんのオフィシャルブログを毎回楽しみに拝読している。


野田さんが書かれるその中身はいつも深く真摯。
同世代こその多くの気づきを与えてくれ
それは私自身を解放する道筋にもなる。


などと書くとどんなに小難しいかと思われるかもしれないが
堅苦しさは皆無で
温かくユーモアのある文章にクスっとしたりホッとさせられたりなのだ。



最近の投稿は

「寂しくても大丈夫。いくつになってもお菓子がそばにいてくれる。」


どちらかと言うとポテトチップスやおかき、ナッツなど甘くない系のお菓子が好きだった野田さん。


でも、最近如実に変わってきて
家に甘いものがあってほしい
なかったらほしい
買い物メモにはいつも「お菓子」と書く


「お菓子詰め合わせ袋」に親近感を覚え

もみじ饅頭的な詰め合わせ
ミニ羊羹的な詰め合わせ
ミニ最中やミニおまんじゅう的な詰め合わせ


おばあちゃんの食卓にある「菓子入れ」にぴったりなお菓子

それらが優しく手招きしている

こっちへおいで、と


激しく共感である。


彼女のお姉さんもお菓子をよく食べるようになったそう。


これは自分たち姉妹だけなのか
多くの人がそうなのか

もしかしたら、一つの加齢現象なのか


こじつけかもしれないが
日々の生活から「甘さ」が消えるからねー

甘いささやきも、甘い誘惑も、甘い言葉も、甘い夢も


加齢現象…

日々の生活から「甘さ」が消える…

確かにそれ、あるのかも。


子どもにおやつは不可欠。たぶん、お年寄りにもおやつは不可欠。


お菓子とか、おやつって、人、それもどっちかというと弱いほうの人たちを、「甘やかす」というかたちで温かく見守ってくれる偉大な存在なんですね。



ふと、義母のことが浮かんだ。

義母も甘いものが大好きだったなと。


高齢になっても食欲旺盛で
外食をすると私たちと同じ量(時には私より多く)をペロリと食べた義母。

間食は至極当然のことで、何でも好んで食べたが
特に甘いものには目が無かった。


もともと腎臓に不安を抱えていたが
義父亡き後の10年以上の気ままな一人暮らしで
食生活も好き放題となったのだろう。

多分、甘いものも食べ放題だったと思う。

すっかり太り、顔色も悪くなっていた。

後でわかったことだが、腎臓透析寸前まで悪化していたらしい。


そんな義母が家の中で転倒、骨折、入院。

図らずも、9ヶ月に及ぶ入院生活で食生活が改善され
数値もある程度良くなった。


車椅子生活となった自宅介護でも私たちは徹底的な食事管理をし
義母の体調を守ろうとした。

塩分摂取を控え、多過ぎた食事量も減らした。

甘いものも然り。


今思えば、そのことは義母の寿命を延ばしたと思う。


ただ、そうして口にする食事は義母にはあまりにも物足りないものだったろう。


義母は決して不満を言わなかった。

半分に割った小さなお饅頭を大事そうにゆっくりと食べていた姿を思い出すと
可哀想だったなあと、今さらのように悲しくなる。


亡くなる数ヶ月前、
医師が「好きな物を好きなだけ食べさせてあげてください」と言ってくれた時には
しみじみと嬉しかった。


それは、
もう病状の改善が見込めない事と
亡くなる時期がそう遠くない事を暗に伝えるものだと私たちは理解した。


それでも、
甘いものを許され、嬉しそうに頬張る義母の顔を想像して
私たちは嬉しかった。



お菓子とか、おやつって、人、それもどっちかというと弱いほうの人たちを、「甘やかす」というかたちで温かく見守ってくれる偉大な存在なんですね。


義母にとってもそうだったんだろう。


だから、甘いものが好きだったんだ。


そして、私もそう。(弱いほうの人かはわからないけど)


義母は、最後に
甘いものに甘やかされる幸せを味わってくれただろうか。


もしそうだったら、私自身、少し救われる気がする。



PVアクセスランキング にほんブログ村